ブリヂストンの「エコピアEX20」やREGNO「GR‐XI」「GRVⅡ」のパンフレットを見ると、「ULTIMATEYE(アルティメットアイ)」という技術が紹介されている。

簡単に言うと、「接地しているトレッド面をガラス板の下から見る」ような技術を開発したらしい。しかし、こういう路面挙動の画像は以前にもあったはずだ。

 

なぜこれが独自技術なのだろうか? 「アルティメットアイ」のすごさをレポートする。

 

 

シミュレーション技術の限界

 

 

算出された路面挙動画像

 

 

メーカーが新しいタイヤを開発する時、いきなり試作品を作るのは効率が悪い。だから、まずコンピューターの中で架空のタイヤを作り上げる。バーチャルに作り上げたタイヤをバーチャルに回し「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤する。

 

しかし、あくまでこれは「予測」だ。シミュレーションで完璧なタイヤを作っても、いざ本物の試作品を作って走行するとなると、現実との食い違いが出る。分子レベルまで正確に再現できないので、シミュレーションの路面挙動と現実の路面挙動は異なってしまう

 

じゃあ本物のタイヤを高速で回して、トレッドの路面挙動を計測しよう」というのがアルティメットアイの出発点だ。

 

 

可視化装置の仕組み

 

 

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アルティメットアイの中心を担う可視化装置の仕組みはシンプルだ。上の解説図に沿って解説すると、①がセンサーを内設したドラム(円筒状の機械)。②はタイヤスタンド、これが傾きコーナーリングの横力等を再現する。

 

②に取り付けられたタイヤが①のドラムに接し、お互いが回転する。センサーは膨大なデーターを取得するのだが、それだけではただの数字でしかない。この数字を③の計測装置が処理してトレッドの路面挙動を再現するというわけだ。

 

 

高速だからスゴイ

 

装置の全体像

 

 

確かに、路面挙動を再現する技術なら以前もあった。しかし、アルティメットアイがすごいのはこの計測が最大時速400㎞まで可能な点なのだ。

 

今までの路面画像はわずか時速数㎞程度の実験結果、もしくはシミュレーション画像だ。『高速走行時』の路面挙動の可視化に成功したのはアルティメットアイが世界初となる。時速数㎞が400㎞になったのだから、大きな進歩だ。

 

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アルティメットアイは乗用車用だけではなくレース用、トラック・バス用と最大で直径1・2mまでは対応可能だ。アルティメットアイによって、これからタイヤの性能も開発スピードも向上することが期待される。現時点では、東京の小平工場にしか存在しないが、海外の同社研究センターに持ち込むことも検討中だという。