細く+大きく+高内圧は、なぜ低燃費?

 

 

今後の拡大が期待される「ologic」シリーズ

 

 

「ologic(オロジック)」とは、ブリヂストンが2014年に開発した「狭幅・大径・高内圧タイヤ」のことだ。

要するに、「細く、大きく、空気がたくさんつまったタイヤ」なのだが、それがなぜ「断トツの低燃費性能」を実現できるのか? タイヤを細くした分、操縦安定性能やブレーキ性能は損なわれていないのか?

 

今回は、オロジックの技術を紹介する。

 

理由① 車両の空気抵抗が減るから

 

 

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車の燃費性能を向上させようとした場合、従来、タイヤメーカーはタイヤのトレッドやゴムを変化させ、転がり抵抗を下げようとしてきた。

 

しかし、オロジックはこの従来の考え方に加えて、「車両自体の空気抵抗を減らす」という考えをプラスした商品だ。

タイヤ幅を細くすると、車両下の空気回りがよくなり、車両後部に発生する空気抵抗の渦は大幅に低減される。結果、タイヤの転がり抵抗も大幅に減るというわけだ。

 

 

理由② 変形が減るから

 

タイヤの「変形」も開発時に注目した部分だ。

 

タイヤが路面に接するときトレッドは一瞬潰れて平らになり、路面から離れると、また元の丸い形に戻る。タイヤはこの変形を繰り返して移動しているわけだが、変形が大きいほど、そのエネルギーロスも大きくなる

 

では変形を少なくするためには、どうしたらよいのだろうか?

 

その答えが「大径+高内圧」なのだ。円は外形が長くなるほど、その曲率は緩やかになり、平らに近くなる。地球は丸いが地平線は平らに見えるのと一緒だ。平らに近くなるほど、路面に接した時の変形は少ない。つまり、エネルギーロスも減り、よく転がるということだ。

 

通常より空気を入れることで、より変形は少なくなる。自転車のタイヤに空気を入れて、漕ぎやすくなった経験を持つ人は多いだろう。あれも変形が少なくなるから転がりやすくなったのだ。

 

これらの効果でオロジックは従来比で、約30%の転がり抵抗低減を達成できた。

 

※オロジック155/55R19 320㎪、従来品エコピアEP25175/65R15 230㎪の場合

 

 

接地面積が減っても、より安全に

 

 

細い上、変形も少ないとなれば、タイヤの接地面積は従来タイヤより当然小さくなる

 

通常なら安全性能を損なうことになるが、オロジックはウェットブレーキ性が従来品比で8%、操縦安定性も20%向上している。

空気圧が高いということは、力強く地面に接しているということだ。オロジックは、この「力強さ」を活かせるよう、表面のトレッドを最適化に設計、接地面積が小さくてもより安全なタイヤに仕上げたのだ。

 

  

まずは新車装着の拡大から

 

 

 

BMWi3の髙運動性能を支える「ECOPIA EP500 ologic」

 

 

優れたタイヤであっても特殊なサイズのため、一般車には使用不可能なのがオロジックの欠点だ。現状では、電気自動車「BMW i3」でしか使用することができない。

 

しかし、オロジックを新車装着する車種が今後増えていけば、この「狭幅・大径・高内圧タイヤ」がタイヤのスタンダードになる可能性がある。そうなると、オロジックのサイズに合わせて、車の開発も行われるということだ。

 

                 ◇         ◇

 

通常、タイヤは車に合わせて開発を行うので、車がタイヤに合わせて開発を行う事態は、タイヤ業界に身を置くものとしては、ロマンを感じる。今後、オロジックが一般に普及してくのか注目が集まるところだ。